かぁ〜ちゃんを思う・・・いよいよ始まった

前回の内容はこれ↑↑

かぁ~ちゃんは少し前から「眠れない」と言って薬を飲んでいた。薬を飲んでも辛そうにしていた。でも辛いと口にしたことはなかった。だから平気と思っていた。きっととてもしんどかったのだろうね。父と(じーと呼んでいた)一緒に自分の病院で検査したんだろうね。そんな事も知らなったよ、私。。。

ある日、私が仕事から家に戻ったらじーがいた。いつもはもっと遅い時間なはずなのに。。。じーの顔が青白かった。嫌な予感がした。

「どうした?じー?」

「お母さんね、余命3か月だって。大腸にガンがあるって・・・」

私はそんまま台所で泣き崩れた・・・

頭の隅で泣いていたって意味がないと誰かが言っている。分かっちゃいるけど涙が溢れる。悲しすぎた。部屋の色が薄れて行った気がした。笑い声がこの家から消えてしまった。。。

弟が帰ってきた。じーがまた青白い顔で同じことを弟に話した。

弟もその場で泣き崩れた・・・

じーは何も言わず立ったままだった・・・

そこからの私の記憶がない・・所々の場面しか覚えていない・・・

次の日仕事へ行けたのか?それともシフトチェンジしてもらったのか?かぁ~ちゃんが入院している間の食事や洗濯などどうしていたのか?じーは?弟はどうしてた?全然思い出せない。今でも思い出せない・・ショックすぎて記憶が飛ぶとはこの事なのか。

かぁ~ちゃんはすでに余命宣告を受けていた。そうだよね、看護婦だし、職場だしね。

次の日か数日後か・・3人で夕方病室を尋ねた。私と弟はあれから始めてかぁ~ちゃんに会う。

どんな顔すりゃいいんだ?何を言えばいいんだ?泣かないようにできるのか?

病室に入る前、頬を叩き泣かないように必死に努力した。何を話したか、どんな顔をしていたか覚えていない。ただ病室から出るまで必死にこらえた涙がエレベーターの前で溢れ出た。

じーだけ遅くまで病室にいた。私と弟は先に車で帰った。帰り道、涙で前が見えなかった。

それから仕事の休みの日、病室を訪ねた。かぁ~ちゃんが言う。「そんなに来なくていいよ。お父さんが毎日来てくれているから大丈夫だよ」って。そんな事言われても、どうしらいいのか自分では分からなかった。強がりなかぁ~ちゃんだから、弱いとこを見られたくないからそんな事を言っているのかなぁとも考えた。だったら気を使った方がいいのか??本当は来てほしいのか??

かぁ~ちゃんと普通に接することができない・・・聞くことができない・・・目を合わすのが辛い・・・以前の様にしようと必死だった。でも以前の様にがもはや分からない・・・

病室からの帰りは必ず1階のロビーでタバコを吸う。そうしないと車の運転ができなかった。タバコで心を落ち着かせる必要があった。でもいつもタバコを持つ手は震えていた・・・左手で抑えても収まらなかった。

タバコをふかしながら、かぁ~ちゃんが働いていた大きな病院をはじめてゆっくり見回す。たくさんの患者さんがいた。この患者さん達はきっと治って元の生活に戻れる人達なんだろうなぁ。いいなぁ~なんて普段考えもしないような事を頭の中で考えている。

ある日、また病室を訪れた。かぁ~ちゃんはいなかった。点滴をぶら下げた鉄のパイプを持ちながら廊下の椅子に背中を丸めて座っていた。

「かぁ~ちゃんどうした?こんなところで」

「りえこ・・・お母さんが死んだらあの家は売りなさい。そのお金で新しくマンションでも買って住みなさい。いいかい、あの家は売るんだよ。お父さんはね、とても弱い人だから。私が死んだら他に女の人をあの家に呼ぶよ。間違いないよ。そんな事はさせてはダメだよ」

そんな荒々しい口調で愚痴っぽいことを言う人ではなかったので、ちょっと驚いたが・・・

「うん、分かったよ。病室に戻ろうよ」・・・と答えるしかなかった。

でもこの時はまだその事についてあまり気にも止めていなかった。かぁ~ちゃんは死なない、と思っていたからか・・・じーはそんな事しない人間だ、と思っていたからか・・・

でも・・・後にあの時かぁ~ちゃんの言った事が本当になるとは、その時の私はもちろん知らなかった。

それからしばらくしたある日、私とじーが担当医に呼び出された。。。かぁ~ちゃんの現状と、手術前の説明だった。

ここまで書けた!何度も読み返し言葉を修正する。しっくりくる文章になるとなぜか心が弾む。きっと私は何十年もこの出来事を書き残したかったのだろう。

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